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ログハウス(丸太組工法)の立ち位置 [住宅]

住宅等 低層木造住宅の構造設計を行っている当方。

軸組工法(いわゆる一般的な工法で 在来と言われてます) 2x4工法 丸太組 と大きく3つに大別してますが、当方は 現在、主に、軸組工法と丸太組のお仕事が多いです。2x4は時々 でしょうか。


これら3つの工法は 主に 軸組工法=日本古来の工法 2x4工法=主に北米の住宅の工法 丸太組=ヨーロッパや北米 がもともとの発祥で、丸太組は 日本では正倉院で使われた校倉造と言われた工法でもあります。


さて、軸組工法は最近は 耐震壁が必ずついてますので、壁で持たせる2x4工法とそんなに変わらなくなってきてます。軸組も2x4も 軸力は 柱 又は スタッド(壁の軸材)で基礎まで力を流します。梁の考えは どの工法もさほど変わりませんが、丸太組工法は、柱はなく、積んでいる丸太で基礎まで軸力を流しますが、軸力を流す点は、壁そのものが柱みたいなものなので、ある意味、丸太組工法はもっとも鉛直力に強いということになります。


丸太組同士は、「ダボ」と言われるつなぎ材 または 鉄筋(ボルトのうようなもの)で固定又はつなぎ、横ずれしないように固定します。

つまり、丸太組は 横ずれ=せん断力 を意識する工法なんです。

ですので、耐力壁の代わりに ダボの強さ/本数をチェックするのが 主なんです。


こうして書いている丸太組工法は、軸組工法とも2x4とも ぜんぜん違うと言えますが、困ったことに、その上に載る2階部分の設計が厄介で、ビルダーさんによって、2x4であったり 軸組であったりします。

確認申請において、構造計算を要求されることも多いのですが、2階の耐力壁をチェックしなさいと言われたとき、やり易いのが、2x4で、軸組は2階の壁が完全に立ち上がったものに近い場合は採用でいますが、やってて分かりますが、軸組は構造的に不向きと考えます。

というのも、よくある、小屋裏2階的丸太組 となった場合、屋根の始まるもっとも低い母屋が、仮に丸太組でなく、2x4壁で立ち上がった壁の上に載る母屋だとします。2階内部で耐震壁が取れないともなれば、この立ち上がった壁を評価しないといけないのですが、軸組だと 階高の1/2以上でないと耐力壁にならない という規定により、成立せず、耐力壁の高さ制限がない2x4であれば 成立する といったことがあり、明らかに2x4の方がやり易いということになります。


日本だと どうしても在来工法の方が 大工さんの手が見つかりやすく、2x4だとできないという大工さんも多いかと思います。

なので、2階は軸組 という選択をされる方も多いですが、場合場合で、使い分けるようにしないと、確認申請や中間検査で痛い目に会ってしまいそうですね。

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