SSブログ

高知県産材の視察に行ってきました。 [建築]

もう先月になりましたが、先月下旬に高知に行ってまいりました。

まだコロナウィルスがここまで流行せず、中国の旧正月前でした。


さて、今回 高知県木材産業振興課・土佐材流通促進協議会のご招待で 視察した次第ですが、そもそも当方、四国が初めてでした。

DSC01407.jpg


四国と言ったら、香川のうどんで行こうかとも思っていたくらいでしたから。


高知といえば、自分の思い出は スタジオジブリの「海がきこえる」ですね。

大学3年の春だったか テレビで見たのですが その時 とても印象的でしたね。今も好きなのですが、今回、その思い出を持って、高知市内の場所場所も巡りました。アニメの時代設定からも 今現在は20数年過ぎているので、流石に変わっていますが、雰囲気は残ってましたね。


さて、肝心の木材ですが、木材を見るついでに 梼原町の 新国立を設計したかの 隈研吾氏の作品群を見ました。

これは おまけでもありますが、隈氏の建築を変えた ともいわれ、現在の「木」を使うデザインに走ったきっかけとなる建築群です。


DSC01284.jpg


DSC01296.jpg

DSC01348.jpgDSC01351.jpgDSC01388.jpgDSC01362.jpg


雲の上のホテル 等見ましたが、これは3年前に見た 富山のガラス美術館とも共通したデザインも見られ、建築家は いわゆる見ただけで誰の作品かがわかる味を見ている感じでした。ある意味 隈研吾らしい ともいえますね。安藤忠雄氏だと コンクリート という具合ですが、天井から躯体でもない?木材を見せる意匠は彼のデザインですと言う感じです。


木材は、梼原町の梼原森林組合へ。

DSC01328.jpgDSC01334.jpg


高知県は、高知市の周辺のみが平地で、後は全て「山」。それもかなり切り立ってます。

結構 高いです。筑波山よりも高い山がごろごろ。

海が隆起したという地勢で、石灰岩が多い地質です。気候は、雨が多い 台風も結構来る という具合で、日本でも雨の多いところです。なんでも 四国山地に雨雲が当たり、山の反対側の香川は雨が少ないそうです。

ですので 香川は米がとれず麦が主食で、灌漑池も多いということなんですね。


今回の高知訪問で、木材については、雨が多く台風も多い厳し気候に加え、人工林も多く、つまりは真っすぐな家づくりに向いている構造材が手に入るだけでなく、その構造材も厳しい環境からか 強度については、他の県産よりも性能が高いといえる木なんだなあと理解できました。

当方も 今まで 茨城県産材といった近県の材に携わりましたが、無論、茨城の八溝スギも良いとは思いますし 使う事にも問題はないかと思いますが、JAS材にしなくても ある程度の性能も出るであろう無等級材を使うにしても 高知の材は魅力的だと思いました。


同じ柏市内でも 土佐桧を主に使用する不動産系工務店もありますし、似たような思想をもっているところもありますが、うちなりの切り口で 使用できればと思います。


別のブログネタで書きたいですが、そんな構造材も 地域地域で性能の良い木もあり、木材ソムリエみたいな人がいればなあとふと思った次第。

林野庁も 「この県だけ特別扱い」できないので、そういうのがないのですが、各県で性能データを出したり 比較したりできればなあとも思ってます。


--------------------------------------------------------------------------------------
 
家を建築されたい方やお悩みの方でしたら、当事務所へお気軽にご相談下さい。
 
お話して決めても決して時間の無駄ではありませんし・・・・・・
 
 
茨城県県南地域 
 
土浦市、つくば市、守谷市、取手市、牛久市、
龍ヶ崎市、つくばみらい市、筑西市、坂東市、稲敷郡阿見町、
稲敷郡美浦村、稲敷郡河内町、北相馬郡利根町、稲敷市
 
千葉県北西部
 
柏市 松戸市 野田市 我孫子市 流山市 白井市 印西市 船橋市 市川市
 
浦安市 千葉市 佐倉市 習志野市 八千代市 印旛郡 成田市 等
 
を中心にやっております。都内も東半分エリアは大丈夫です!


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

通り芯の振り方に見る 建築家の特徴 [建築]

当方は、低層の木造建物の構造設計を頂いている関係で、様々な設計事務所の通り芯の「振り方」を目にしています。


通り芯 とは、いわゆる、図面を見やすくする為の 印 であり、基準です。

その基準から いくつか離れたところから 寸法は決まります。


一般的な事を言えば、グリッド というものがあり、3尺 910や900 又は909というものが利用されてます。

このグリッドを使用しているが、ハウスメーカー(ポラスとかそのくらいの木造メーカーでも) 工務店、あと、設計事務所でもあります。このグリッドは プランから使用しているケースが多く、方眼紙からプランしていると直ぐに分かります。しかし、このグリッドによる通り芯が最も簡単で やりやすく、寸法が振っていなくても 予想できる便利な寸法です。

グリッドについては、日本だと尺寸ですが、アメリカだとfeet inc があり、現場では当たり前の寸法です。実は、建材もこの規格で作られており、この寸法で作ることが 経済的と言えます。無駄が少なく 安く建てたいのであれば、この寸法の振り方がお勧めです。


次に多いのが、主要な壁と通り芯としている いわゆる RC造 鉄骨造 でもおなじみの芯振りです。

この降り方を使用している方は 普段は 木造以外が多いと思われます。なので、設計事務所がこれですね。

この寸法割は、確かにグリッドからすればイレギュラー寸法ですが、基準線からすれば という発想からすれば、建てるのには困らないです。確かに 建材に無駄が出てしまいますが、設計上は困りません。

ただ、主要な壁なので、通り芯の間が飛んでいるので、電話で相手に説明する等といった事の場合 説明しにくいといったデメリットもあります。構造設計者としては、主要通り芯以外に いくつも通り芯を追加しなければならないので、結構 面倒だったりします。


上記 2つをミックスしているところだったり、事務所特有のやり方で 上記に振り方を追加しているところもあります。

通り芯の振り方は事務所の方針でもあるし、性格が出ているなあと思ったりします。

実は 通り芯なしでの依頼も多いです。ない場合はこちらで振りますが、無い事務所の場合、きっとないことが習慣だと思われます。自由な事務所さんなのでしょうかね。


自分の場合ですが、最初のグリッド使用が多いです。

グリッドでプランもしますし。

グリッドしないと、いわゆる幅 例えば 廊下の幅とか トイレの幅を間違ってしまうことがあるんです。

プランの仕方は設計事務所/建築家 の設計の仕方でもあります。


建築家さんに依頼するとき、そんな視点で 打ち合わせする用紙や建築家の手元を見てはいかがでしょうか??


--------------------------------------------------------------------------------------
 
家を建築されたい方やお悩みの方でしたら、当事務所へお気軽にご相談下さい。
 
お話して決めても決して時間の無駄ではありませんし・・・・・・
 
内呂建築設計事務所
 
茨城県県南地域 
 
土浦市、つくば市、守谷市、取手市、牛久市、
龍ヶ崎市、つくばみらい市、筑西市、坂東市、稲敷郡阿見町、
稲敷郡美浦村、稲敷郡河内町、北相馬郡利根町、稲敷市
 
 
千葉県北西部
 
柏市 松戸市 野田市 我孫子市 流山市 白井市 印西市 船橋市 市川市
 
浦安市 千葉市 佐倉市 習志野市 八千代市 印旛郡 成田市 等
 
を中心にやっております。都内も東半分エリアは大丈夫です!

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

かなりいいにくい事ですが、意匠設計への提言と愚痴 [建築]

建築の設計は、昨今、「地震対策」と「省エネ対策」が大きな命題であるが、

この二つを極めている設計事務所は 恐らく存在しないと思う。

省エネ対策は、まだ、意匠設計者単独で行える範疇で、とてつもなく技術的な話はわからずとも、断熱性能の良い材料を使えば、それを外周部で包めばOkなのだ。

しかし、構造設計については別である。

これは 知識・経験 だけでなく、高額な構造ソフトも使わなければならず、要するに、付け焼刃ではどうにもならない。

当事務所は、構造設計を生業にしているが、意匠設計も時々行っている。

無論、構造に特化しすぎるのもあまり宜しくないと考えるが、これだけの数をこなしていると、いろいろな問題を感じてくる。

意匠設計者への 提言と「愚痴」となるが、興味があれば 読んで頂きたい。

さて、そもそも意匠設計者というのは、デザインとプランをする人で、客と直に打ち合わせる立場だ。営業でもあり、彼らのまとめ方一つで 設計に大きな影響を及ぼす。責任重大である。

無論、様々な知識を要求され、お施主には、各分野 様々な情報をわかりやすく伝え、正確に選択させる義務がある。

にもかかわらず、当方 かなりの件数の 他意匠設計事務所の設計の構造設計を依頼を受けるが、構造がある程度わかっているという設計者は、一握りと思える。

専門化しているから 意匠設計者にはそこまで必要ない と思っている方もいるとは思うが、それはかなり甘えた話だと思う。

実は、構造の知識がないがため、当方も「これでは成立しない」と送り返す案件も少なくないのだ。

プランしあとは 構造設計者が何とかしてくれる的な方が多いと言わざるをえない。

意匠設計者にも最低限の知識が必要だ。

それは、上記の理由で施主に説明する義務があるからであり、当然、一級建築士としての(又は二級 木造建築士等)立場もあるので、専門家として 施主からは当然の目で見られるのだから。

意匠設計者に 100%は求められないが、自分が思うに、せめて、30%くらいはほしいとは思えるが、実は、いわゆる木造耐震設計 すなわち 「仕様規定」と言われる「軸組計算」程度の常識もない設計者も散見される。

当事務所では、せめて、軸組計算及び、4分割計算(側端率)を意匠設計者でやっていただき、建築基準法のおよそ 1.25倍程度で、いわゆる許容応力度計算をクリアできると考えられるので、そのくらいを目安に 自身で設計してほしいとお願いしているが、やっている方は、半分いるのかいないのかではないかと思う。

そもそも、低層の2階建て程度の木造住宅は、構造計算不要で、4号特例 と言われる、特別な除外特例で 別カテゴリーとなっている。

なぜか?

それは、大工さんや工務店の社長でもできる程度にしないと成り立たないと思われている部分があり、業界への配慮的要素が大きい。

だが、最近 長期優良住宅や性能評価を広め、4号特例を外す下地が広まった感じもするが、そうなると、当方でもさばききれないくらいの設計の依頼が来ることとなるだろう。とはいえ、正直、構造知識がなく、工務店や構造設計者に丸投げの意匠設計者もいるのが現実で、4号をなくすのが現実的と正直 地震対策をするのであれば、それが妥当と感じる。

意匠設計者には、是非とも、雑誌 「建築知識」の木構造の特集の半分程度 特に 軸組計算への知識の増強に努めてほしいと思うし、そのくらいはエチケットかなあと感じる。

デザインとプランに固執しすぎる時代は終わったと思う。

また、「設計事務所」に依頼したいお施主様には、特に上記の点を注意したいが、「あなたは構造の知識ありませんよね?」とは聞けないと思う。

せめてハードルを付けるならば、「許容応力度での構造設計」で「耐震2等級」以上をお願いしたい とでも言ってほしい。

それだけで、意匠設計者は、構造を意識せずにはいられないからだ。 


nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅

柏建築士団のHP 更新! [建築]

不定期状態で活動している「柏建築士団」のホームページを更新しました。

去年の終わりにやった活動を掲示しています。

不動産屋さんに変わった形状の敷地を売るためのお助けツールとしての提案を行ってます。

現在は、商店街に対しての提案を考えています。

まだまだ 終わりませんよ~!!

柏建築士団HP


nice!(5)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅

杭偽装等と構造設計一級建築士と自己研鑽 [建築]

昨日、構造設計一級建築士の試験に行ってきました。

感想と言うか、まあ、試験で言うと2科目 それぞれ3時間の試験でしたが、「法適合」はまあまあ 全部埋められたのですが、「構造設計」がOUT。前半の4択問題は8割はできているでしょうが、後半の数式と計算の試験はまるでダメ。

やっていると、頭真っ白。というか、普段、計算ルート2以上のRC造と鉄骨の計算は、不慣れ以外の何物でもなかった・・・・まだまだ勉強が必要ですが、普段やっていないというので、どこまで修練を積めばよいのかわかりません。

さて、この構造設計一級建築士の事と昨今の事件の『杭偽装』 そして、自己研鑽について書きたいと思います。

杭偽装は、現場の習慣とか会社の体質とかが言われてますが、何が原因なのかわからない状況となってますが、これは組織の問題もありますが、個人の問題でもあります。

要するに、『自分がやる仕事は手抜きのない いつも最高の製品を!』 という 職人魂の欠如した人間がやったことは間違いないのです。

このことは、自分も立場では、同じだと思ってます。

常にそう思って仕事しないといけません。

そう思うことは、日々常に、自己の能力を上げる上昇志向が必要で、他の資格がどうかまではわかりませんが、一度とったらおしまいではなく、常に研鑽し、それをフィードバックしなければなりません。

それがお施主及び、依頼者への最大のサービスだと思うからです。

 

実は、こう思う一旦は、商工会議所に出入して痛感しました。

社長業の方も多く、そして、自分と同じ立場の方もいますが、話を聞いたり、商工会議所青年部の活動を鑑みて、自分の最大のサービスとはと考えてました。

答えは、『自己研鑽』 。(実は、健康維持もこの一旦でもあるのですが)

無論、商工会議所青年部においても勉強になることが多くありますが、異業種との交流や一般的な仕事としての勉強(営業などの件とか)なので、直接的に、自分の仕事に対しての自己研鑽でもありません。

なにをもって勉強か となりますが、結局のところ、自分はあのような『杭偽装』を見て、なおさら、自己の仕事の研鑽 のほうが重要と思ったわけです。

商工会議所青年部の方々が読めば、賛否 思うところ あるでしょう。自分の仕事をどうあるべきかは、誰しもが別個それぞれもっているでしょう。 

でも、私は、建築士と言う名の職人だと思ってますし、やはり第一は、自分の仕事 及び その研鑽だと思います。 

それが、今回のような『杭偽装』 他にも『免振偽装』とか 10年前の『耐震偽装』 を防ぐ そして、最大のサービスとは!の問を解決するものだと思います。

(来年も試験は受けさせていただきます。=来年も青年部活動は控えます。申し訳ない・・・・・) 


nice!(8)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅

BIMとは (Building Information Modeling) [建築]

皆さんは、BIM=Building Information Modeling  という言葉をご存じだろうか。

今は、建築パースというと 3Dソフトで作った外観や内観が殆どだろう。

手書きの時代、パース屋さんがいたのだが、今は上記のせいでだいぶ減ってしまった。

パソコンが浸透し、無くなった職業は沢山あるだろうが、建築業界でもあるのだ。

さて、本題に戻るが、このBIMは、要するに、建築する前にできるだけというか ある程度 建築主や施工会社が理解しておこう 設計者、施工者、施主の意思統一をしよう その為の仕組みが BIMなのである。

だから 昔の3Dパースもその一つだった。

だが今は、図面の状態でも 即3D化し、営業サイドもすぐに使えるうえ、共通の情報をもてるようにもなってきたのだ。

だから、設計がある程度、図面を完成させておくと、営業が見れる わかる そして、購入者に紹介も容易となるわけである。

数多くのソフトが出ているが、大概のCADソフトは、この機能が強化されている。

当事務所の場合は、専門の3Dソフト SuketchUPを使用している。

これは取り回しと使い勝手が良いためであるが、その図面との連動性は未だである。

そのうち、スケッチアップ上で図面を書く という方向になるのであろう。

さて、ここで、当事務所の 過去のBIMの事例を紹介する。

ある集会所だが、先に完成前の 3Dから

外観 ここでは、外観を選択するときに、いくつか色を提案した。

03.jpg

01.jpg

H-02.jpg 

上記 外観は後でも示すが、3番目の白となった。

さて、次は内観

集会室の内観。屋根を支えるトラスも表現している。

09.jpg

08.jpg

集会室以外の部屋も表現した。

13.jpg 

11.jpg 

そして 実際はどうなったのか?

先にお見せした、3Dと見比べてほしい。

外観

P9102258.jpg

集会室

P9102218.jpg

P9102220.jpg

ということで、今後のBIMの行方が楽しみ かつ ついていくのが大変だと思う次第である。

-----------------------------------------------------------

内呂建築設計事務所

http://officeu.web.fc2.com/UAO/


土浦市、つくば市、守谷市、取手市、牛久市、


龍ヶ崎市、つくばみらい市、筑西市、坂東市、稲敷郡阿見町、


稲敷郡美浦村、稲敷郡河内町、北相馬郡利根町、稲敷市

千葉県北西部


特に 取手・守谷・利根町・龍ヶ崎がホーム!


柏市 松戸市 野田市 我孫子市 流山市 白井市 印西市 船橋市 市川市


浦安市 千葉市 佐倉市 習志野市 八千代市 印旛郡 成田市 等


千葉県は、柏・松戸・我孫子が中心です。


nice!(5)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅

誰のせい? 新国立競技場 [建築]

前回の続きでもありますが、結局、7/22現在、「白紙撤回」でしたね。

犯人は誰だ??

で、世間は思ってますが、犯人は特定の誰かではなく、「適当にやっていたら こうなっちゃった」というのが 事実なのだろう。

前知事の猪瀬氏のコメントが出ていたが、発注サイドの 日本スポーツ振興センター が、突然 コストをあげて、周辺整理の費用も含めて上げてきたというが、その上げた時に便乗して、自分たちが入るビルの新築まで入れていたとか書いてあった。

まあ、せこいけど、そうだとしても、このような、私利私欲の動きが値段を上げ、そして、コストのわからない「建築家」のデザインを、コストの良く分からない審査員である「建築家」とその他 審査にかかわった人たちの集合がこの結果となったのだろう。

コストコントロールする人間が、どこのセクションにもいなかったのが最大の原因で、コストと常に向き合いながら、事業を総合判断する人間が、少なくとも、事業主体にいなければなかった。

施主や依頼者がコストを見れないとなると、建築家やゼネコンがコントロールするのが常だが、そこに誰も入らなかったのが いや 入っていけなかったのは、きっと 「入ったら、責任が大変で 入らないようにしよう」という見方と、逆に、「入れさせない」とう 発注者側のプレッシャーもあったのではなかと思う。

今回の「白紙」で、今度こそ、「コストをコントロールする人物」が出てこなければならないが、はたしてどうだろうか?

安藤さん や ザハさん は、ただのデザインコンペ であったにしても、建築家としては、コスト無視はいくらなんでもひどすぎる。これは、建築をやっている者には常にある ファクターだ。

ザハさんに至っては、「デザインが悪いんじゃない。日本の建築費が上がったせいだ」と言っていたが、上がるにしても 上がりすぎだし、デザインの中心 キールアーチで、本体と同じくらい費用がかかるものを提案しても、これでは「ずさん」と言われてもしょうがない。

安藤さんも、デザインのみでの先行で、費用を加味しての決定は事業主体が考える。というスタンでは、あとで、「費用が掛かるから、安藤さんの意見を覆す」 なんて あるわけじゃないので、そこまで考えるべきだった。いや、普段から弟子任せで、費用は 後回し だったのだろう。

だいたい、建築家というものは、「良いものを作るのだから、費用増でもやりましょう」で通しちゃう傾向にある。

これは、建築家の 特にデザインに傾倒している人であれば、この傾向が強い。

かっこいいから せっかくだから つくりましょう!

と言われても、お金に上限があるのは誰でも同じはずだ。

これは、コスト無視のデザイン建築家に対する警鐘でもあるのではないかと思う。

因みに、よく聞くのが、デザイン傾倒建築家が、良いデザインをしたのだが、窓が多すぎて、開ける窓が減って、FIX窓ばかりになった。 という話を聞いたことがある。

この家の顛末は、施主の感想からわかるが、「暑くて住みにくい」だった。

「お金があったら、もう一回 建て直ししたい・・・・」

建築家の家でこうじゃ、空いた口が塞がらない。

建築家って いったい何者なんでしょうね。

 

少なくとも自分は、コストにはすこぶる五月蠅いほうだ。

近年、建材コストや人工の費用増は、よくわからないせいで、コストを理解できない時期もあったが、少なくとも、コスト管理は五月蠅いほうだと自負している。

デザインバリバリに走らないのは、費用が掛かるから だし、いくらでも費用を使っていいのであれば、人が驚くデザインはいくらでもやるつもりだ。デザインはお金がかかるのだ。

だから、安いデザインは、どんな建築家が作っても似ているし、変わらない。だから、小さな工務店でも真似ができる。そんなものなのだ。

まあ、ともかくも、ちゃんとオリンピックできるようにしないといけない。

国民として そう思うのだ。 


nice!(10)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

新国立競技場で見えた ずさんなコンペとその後の計画 [建築]

もはや、2020の東京オリンピックは決まっているのに、メインスタジアムが見えない状況は、国民としてとても恥ずかしいですが、ある意味、今までの仕組みだとそのまま作られていたが、今回は止まった感もある。

今更ストップは、壊した後なので、ちょっといいストップではないが、そのまま進められて、税金投入 都民の税金から出る~ だといつも通りであった。まあ それはいいのかもしれないが・・・・・

 

23ko.jpg 

 

さて、今回、コンペして ザハ・ハディド という、イラク出身のイギリス人建築家に決まった。

まあ、自分は最初、デザインは 「なんだこりゃ すごいな」という印象。 

でも、「金かかるだろうな」とおも思った。

このファーストインプレッション通りであったが、今回のコンペといい、ぞの後の見積や計画もずさんそのものとなってしまった。

 

まず、コンペ時点で、コンペで出された案が予算内だったかである。

そして、その後のいわゆる仮見積である。いったいどういう拾い方だったのか。

実際の工事費用の見積がちょっと前に出て、結果論 大幅なオーバーだった。 

原因は、消費税増と原材料の高騰である。

この原材料高騰は予測できない範囲であれば仕方ないとも言えるともう。

しかし、消費税を考慮していなかったのは、お馬鹿すぎる につきる。

この当初の新国立の問題は、作るものの工事費用が見積もれなかった事だが、自分としては、コンペ時にその程度の事が分からなかったのか疑問だ。

審査する側もコスト感覚がゼロ。

なんと審査員に世界的日本人建築家の安藤忠雄氏もいたのだが、彼がコスト感覚はない事を証明してしまった。

彼は、この件、今もノータッチ状態。

代わりに、 槇文彦氏や磯崎新氏等がいろいろ意見を言っている。

これは日本の恥 であるとも言える。

緻密で、正直で、最後までやるとげるはずの日本人が適当な計画をしたことを世界に宣伝してしまった。

ここで重量なのが、2つある。

一つは 限りある予算内でやる事。

もう一つは、どのように使うか オリンピックの先の先の使い方 = ランニングコスト。

である。

この2つのアプローチをしながら決めているようだが、もはや時間も限られている。

 

自分は、確かに素晴らしいスタジアムを作る事も一つだが、縮小する日本で、身の丈に合ったオリンピックを提案する事が世界に日本人の建築を発信できるのではないかと思う。

もともとの国立の収容人数は5万。8万もはいるイベントがいつもあるわけではない。

後のイベントによる回収も考え、大きさと形にこだわる必要はないだろう。

だから、自分は

オリンピックでの屋根なしには賛成だし、8万→オリンピック終了後→5万の客席

で良いのではないかと思う。

これからの時代、お金をどうかけないようにするかが重要だと思う。

皆さんは どう思いますか?? 


nice!(5)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅

今年もありがとうございました。 [建築]

今年度も、皆様のおかげで、充実した仕事ができました。

来年も、ますます技術力 そして、設計力 デザイン力に力を磨き、さらなるステージにのぞめるよう努力研鑽したく思います。

当事務所、他の意匠設計事務所とは、圧倒的に異なる、自社による構造設計 そして、それをさらに向上させるべく他者 同業者 及び、工務店 建設会社 の案件の構造設計を通し、それを自社の技術力にフィードバック 又は、他社それぞれにフィードバックするという、技術による営業を行っております。

確かに、デザインを主体的に考えると、構造が置いてけぼりになり、また、構造設計からスタートすると、形がつまらなくなる と言った具合に、良い面悪い面が両面に存在します。

当方はそれは課題と考えますが、知っているからこそできる構造で、安全で、しっかりとしたもので、素晴らしいデザイン 意匠を作り上げたいと考えています。

今年は、9月にASJの建築家展に参加させて頂き、意匠による魅力と課題も学べました。

しかし、当方、あらためて、構造設計している優位点も確信しております。

来年は、その優位性を使いながら、意匠へと昇華できるよう、工夫しながら邁進する次第です。

そんなわけで、今年はブログも滞りがちでしたが、是非、来年は投稿できるよう考えております。

ただ、お施主様のいる住宅については、プライベートな事でもあり、また、家の内部を外部に漏らすことでもありますので、それは、極力 載せません。

来年は、構造ネタ や 建築基準法の盲点 省エネの建材やそれを使用する取り巻き について 書いていきたいと思います。

では、来年も宜しくお願いします。

内呂 尚史 


nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅

昨日の世界遺産 アルフェルトのファグス靴型工場 [建築]

スキップフロアの家 ログハウス で 都内・千葉茨城一円で住んでみませんか!

詳しくはホームページまで 

全国版 http://officeu.web.fc2.com/UAO/

茨城版 http://1st.geocities.jp/nao_denim/

-------------------------------------------------

昨日の世界遺産 アルフェルトのファグス靴型工場 は、かの グロピウスの設計したものだ。

800px-Fagus_Gropius_Hauptgebaeude_200705_wiki_front.jpg

ぼやっと見ていたら、はやりグロピウスだった。

見ただけで、バウハウス=グロピウス だったし、なによりも 昔、本で見たような・・・・だった。

番組の中で、いくつかの近代建築の世界遺産が出ていた。

最近の世界遺産の傾向は、近代建築も目を向けよう という事なのであろうか。

もっとも、かのコルビジェの建築物は、国を超えて申請したら、なかなかOKでない・・・・・

あの後、どうなったのやら?

さて、グロピウス=バウハウス は、自分のデザインの考え方にほぼ一致している。

無駄を省き、シンプルで、そして、機能的。

----------------

今の時代、ある意味、当たり前のようにも感じるけど、今はポストモダンを過ぎて、方向性がテクスチュア系からどこへ行くのか?という感じかなと思ってます。ちょっと前は透過性で、建物全面ガラス張りで中が見えて透けて、空間の境目が微妙なゾーニングという感じです。

家に至っても、そのようなプランをする方もいますね。

でも、構造上、なかなかそう、ガラス張りばかりにはできない・・・・・

木というのは、やっぱり柱が必要だし、壁もいるんですよね。

ともかくも、デザインの変遷がどうであれ、今のトレンドがどうであれ、グロピウス=バウハウス は、今の自分の中心に置くデザインとほぼ同じ。

昨日は、それをThe 世界遺産を見て、再確認。

-----------------------------------------------------------

内呂建築設計事務所

総合版・千葉版 http://officeu.web.fc2.com/UAO/

茨城版     http://1st.geocities.jp/nao_denim/

茨城県県南が故郷というか、しょっちゅう出入りしています。

土浦市、つくば市、守谷市、取手市、牛久市、
龍ヶ崎市、つくばみらい市、筑西市、坂東市、稲敷郡阿見町、
稲敷郡美浦村、稲敷郡河内町、北相馬郡利根町、稲敷市

千葉県北西部

特に 取手・守谷・利根町・龍ヶ崎がホーム!

柏市 松戸市 野田市 我孫子市 流山市 白井市 印西市 船橋市 市川市

浦安市 千葉市 佐倉市 習志野市 八千代市 印旛郡 成田市 等

千葉県は、柏・松戸・我孫子が中心です。

https://ping.blogmura.com/xmlrpc/wt66lnm34oom


nice!(7)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。