木造3階建の構造設計のイロハ というよりも木造そのものの構造の考え方 [住宅]
手戻りもなく、しっかり構造設計したプランを作れる設計事務所で、3階建て建てませんか?
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許容応力度計算による構造設計について書いてみたいと思います。
昨今、相談したともったら、「このプランだと『ここを変えないと』難しいですよ」といって、相手先はしばらく考えますとか言って、最終的に、「どうなりましたか」と聞くと、「他に頼みました」とかいうクライアントがあります。断るならば、一言ほしいものです。なんか、こういうこともできない意匠設計事務所もあるのですね。普段の仕事が「雑」なのでしょうね。他に頼んでも、構造の考え方は変わりませんから、結局、構造設計者変えても同じですよ。
さて、これは要するに、意匠設計が構造を理解しないでプランをしていることに他なりません。
実は、意識してやれば、または ある程度理解していれば、構造設計しやすいプランになるんです。
簡単にそのイロハを書いてみます。
①46条の仕様規定の1.25倍で!
3階だろうと、2階も同じですが、仕様規定よりも壁量が必要になります。
これは、建物の重さを正確に出していることと、仕様規定が要するにある意味「いいかげん」でもあるのです。
だから、仕様規定よりも多めに壁量を配置していただくと、本当の構造計算するときにまとまりやすくなります。
②吹き抜けが多い事は当然 不利!
意匠設計者は、吹き抜けの多い空間を作りますし、求めます。
まあ、都内で狭い3階建てならば尚更でしょうね。ですが、吹き抜けが多いと、筋違からくる力を床に伝える手段がありません。特に、一つの通りがまるまる吹き抜けとかありますが、これはどうやってもアウトです。
また、火打は合板の床剛性にはぜんぜんかないません。能力が低いのです。加えて、根太を落とす方式も、根太の半分または全部を梁に落とし込むくらいでないと剛性は確保できません。要するに、合板しかないことなのですが、自然派工法だとか、合板とかはNGという家には厳しい話です。ようするにそのような家は長期優良住宅に向いていないということなんです。
③耐力壁は下階ほど必要
3階→2階→1階 と力が伝わります。
要するに、上階の力以上に耐力壁がいることと考えるべきです。もっとも、足元のホールダウン金物が大きくすれば何とかなってしまう場合もあるのですが、限界もあります。上階と同数 それ以上の数の耐力壁を、直下の壁に設けるべきです。
④間口が狭い都内の狭小地の場合耐力壁に注意
当然ですが、間口が狭い場合、特に、長手方向に直行する壁が多く必要となります。長手方向と水平方向はそもそも、壁となっていることが多く、足りることが多いです。まずいのは、逆の垂直方向。特に、駐車場やら、玄関で、耐力壁が全く取れない場合も・・・・
一応、門型フレームを使ったりでかわせることもありますが、その場合、階高もある程度必要となり、また、門型の柱形状が通常の柱の寸法と異なるので、納まるか注意が必要です。
上記、せいぜい4つくらいに気を付ければ、構造設計しやすい建物になるかと思います。
良いプランが構造計算できるかは別の話だし、また、一般の施主からすれば、建築士がプランするならば、耐震性は大丈夫とはなから思っている場合が多いし、意匠設計者は、そんなプランを計算上成立させる構造設計者を望みますが、限界があります。また、そんな無理なプランは確認検査機関の審査でしっかり引っかかります。要するに、審査時で覆ることもあるのです。
一般のお施主にも言いたいですが、建築士だからって、構造を理解しているわけではないのです。
半数どころか、ほとんどの人が、構造あまり考えないで作ってます。
また、仕様規定 と言われる、簡易式の軸組計算は構造計算でもなければ、「これで大丈夫」といえるものでもありません。
現実に、構造計算していない建物(すなわち2階建て木造住宅)が裁判で耐震性について争ったとき、例え、仕様規定でOKでも、根拠にならないとなり、裁判では負けたこともあったそうです。
そもそも、構造計算はなくてもOKではなく、そこを建築士という設計者を信用して、確認手続き上 省いているだけなんです。要するに、本当は、各設計者は、そこまで検討していないといけないことになっているんです。
仕様規定は、いわゆる 工務店や大工さんでもなんとかできる程度の簡易式の耐力壁設計 なわけで、簡易式なんです。かの性能評価でも、簡易式でもできるようになってますよね。
これは、建築基準法の 1.25倍を耐震等級2 1.5倍を耐震等級3 とし、加えて、4隅、すなわち外周部に壁量が足りているかをチェックすることをしています。加えて、梁や基礎については、スパン表という、簡易式の表で決定しますし、計算までしなくてもできるようにしているだけなんです。もっとも、それでも、耐震性は向上している事はしているので、「悪い」わけではありません。許容応力度構造計算よりも、「いい加減」だということなんです。
意匠設計者も、一般の方も、知らないというレベルでは、関わっていると、ほとんど同じに感じます。
設計者は専門家なのですから、もう少し勉強する必要もあるでしょうし、一般の人は、意匠設計者を現在においては、構造設計においては、残念ながら「疑いの目」で見るしかないと思います。悲しいですがね・・・・
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