熊本地震の倒壊した家からわかる 壊れる家 [住宅]
専門雑誌を読んでいて、熊本地震で壊れた 木造住宅 をある程度特定できた模様で、結論から言えば、こういう家が壊れると はっきり書いてあった。
①2000年以前の住宅だが、柱・耐震壁が1・2階で連続していない家
②1981年以前 いわゆる新耐震以前の住宅
となっている。
無論、施工不良は、新しかろうと関係なく倒壊するが、大きくはこうなる。
特に、①は、新しい基準なのになぜ?
と思われていたが、原因は、2階と1階の柱及び耐震壁が連続していない 場合に倒壊したようだ。
この点について、普段 構造設計している自分が思うのだが、1・2階で連続していない場合、2階の床すなわち 1階の天井の梁のせい(梁の高さ)が大きくなる。
これは、梁が耐力壁と柱の強い力を受けるためであり、構造計算すると その点がはっきり見えてくる。
しかし、プレカット屋さんのみしか通しておらず、スパン表のみの梁の大きさの決定では、こういうところは見過ごされる。
意匠に凝る家、特に、2階が寝室で1階が広いリビングの場合、こういうことが多い
せめて、外周部だけでも いわゆる層2階になっていればだいぶ違うだろうが、外も中も揃っていない場合は、壊れやすいのだ。
いわゆる、2x4住宅が頑丈だ と言われるのは、外も中も壁線が揃っているからだ。
軸組の家でも、層2階で、壁線がある程度揃っていれば、地震に強い家となる。
構造設計する中で、耐震等級2や3を設計するが、層2階の耐震2とか3と 揃っていない家の耐震等級2・3では、意味が違うし、同じ等級だから同じ耐震性がある ということではないと思う。
当然だが、理想の形から遠ざかるわけだから、その分リスクは高くなるのだ。
デザインがつまらない とか言われるのはわかるのだが、層2階で内部の壁線も揃っている家は耐震性が最も強い と言える。無論、各部位が基準をクリアしているかが条件だが・・・・
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